愛隣コラム&ニュース


2011年07月22日 金曜日中国の慣習

性善説

現地のグループ会社の中国人スタッフが、倉庫に納品に行った時の話です。

300個の商品を納品に行った時、倉庫の担当者が検品して、最後に書類にサインをするように言ってきたそうです。
この書類は、「もし中身が入っていなかったら納入会社の責任となる」という内容だったそうで、現地スタッフは自分で中味を確認してから納品に行ったので、「中味が入っていないダンボール箱は無いから、サインできない」と返事をしたそうです。

倉庫会社の担当者は、「それなら中味を全部出して見せろ」と嫌がらせを言ってきたので、現地スタッフは、その場で300個の商品全ての箱を開けて中味を見せたそうです。

中味が全て入っているのを2人で確認した後に、現地スタッフは倉庫の担当者に「もし中身が無くなったら、倉庫会社の責任です」と一筆書かせたそうです。

新入社員ですが、良くできたスタッフです。(^o^)

それにしても、最初から物が入っていない? 納品後に物が無くなる? という前提での話とは驚きを通り越して、笑ってしまいました。

ある中国メーカーの董事長(CEO)から、昔はよく工場で物が無くなっていたが、「何で物が無くなるのか、誰が盗るのか」を考えるより、「物が無くならないようにする仕組み」を考えることが大切だと聞いたことがあります。

儒家の孟子が唱えた性善説(人間の本性は基本的に善である)が、儒教主流派の中心概念ですが、私も先天的に持っている善の心を大切にして、人を信じて中国でもビジネスをしています。

孟子画像.jpg