愛隣コラム&ニュース


2011年07月25日 月曜日中国事情

中国の新幹線

中国浙江省温州市で起こった高速鉄道の追突・脱線事故は、落雷で列車が急停車したところに後続列車が追突、計6両が脱線、このうち4両が高架から落下し、43人死亡、210人の負傷者(新華社24日の発表)を出す大惨事となりました。

事故で亡くなられた方々には、心よりお悔やみ申し上げますとともに、負傷された方々の一刻も早いご快復をお祈り申し上げます。

中国は、汚職疑惑で2月に更迭された劉志軍前鉄道相が承認した計画を見直し、2007年から急ピッチで進めてきた高速鉄道(新幹線)の整備計画を大幅にペースダウンする方針を固め、営業時の最高時速を現在の350キロから300キロに減速して、安全性を優先させている中での事故なので、悔やまれるところです。

先般、日本などの技術協力で車両製造を始めたはずなのに、製造技術の特許を5カ国・地域で一括出願したことが問題となっていましたが、たとえハード面での新幹線の車両製造技術は追いついたとしても、地震大国で長年培ってきた日本独自の「安全な運行管理システム」というソフト面では、諸外国の追随を許しません。

今こそ、日本政府が協力して、新幹線をはじめとする日本独自の経験と実績で構築されたソフト面の技術を世界に売り込んでもらいたいものです。

上海新幹線.JPG