愛隣コラム&ニュース


2011年12月19日 月曜日中国事情

中国と北朝鮮の国境のまち「丹東」

17日(土)に北朝鮮の最高指導者、金正日(キム・ジョンイル)総書記が、死去されたというニュースが世界中に配信され、今後の朝鮮半島の平和と安定がどうなるのか注目されています。
北朝鮮は、昨年から金総書記の三男の金正恩(キム・ジョンウン)氏を朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長とし、三代世襲態勢への移行を推進していた矢先のことなので、金総書記の突然の死が国内外に与える影響はとても大きく、アメリカ及び日中韓を中心とした東アジアの動向にも注視していかなければなりません。


遼寧省は中国東北地方で唯一海に面しており、省都である瀋陽から各港までは大連港約360km、営口港約150km、錦州港約190km、丹東港約280kmとなり、高速鉄道や高速道路も整備されてきています。
遼寧省の港町で大連は有名ですが、5年前に初めて行った「北朝鮮との国境線のまち・丹東」に興味を持って見ていました。


中国と北朝鮮は、遼寧省(鴨緑江)と吉林省(図們江)で国境を接していますが、中朝貿易の最大の拠点である遼寧省の「丹東」の開発は、国家プロジェクトになっていたので、昨年7月に久しぶりに訪れてみました。
国境線である鴨緑江の中洲も利用して、中朝両国間に新しい橋(昨年10月に着工)を建設し、そこを拠点にした全体のグランドデザインのジオラマを見たときに、大きく変貌を遂げようとする丹東の将来を想像して、何故か鳥肌が立ちました。
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金総書記が訪中するとき、緑色の特別列車に乗り、必ずこの丹東の「中朝友好の橋」を渡っていく光景を何度もテレビで見ましたが、この度の死去に伴い、日本のニュースにもあらためて中朝国境線の「丹東」からの中継が数多く配信されていました。
国境線となっている鴨緑江に架かるこの「中朝友好の橋」がライトアップされ、物静かに照らし出される光景をテレビ画面から見て、中朝だけの問題にとどまらず、東アジアを巻き込んだ大きなうねりが始まる予感が、さらに強く感じられました。


丹東については、とても興味があるので、今後数回に分けてコラムにて紹介していきたいと思っています。
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